アオアルキルキア

不定期連載

題詠 チャイナブルー

 

題詠 チャイナブルー

 

「チャイナブルーって何? 俺知らないんだけど?」とそこにいる大人の方々に尋ねるとみんな知っていた。(まあ、俺も大人なんだが)

「逆三角形のグラスにサクランボが入ってるあれだよ」

ああ、あれをチャイナブルーというのか。

「っていうかこのお店にあるんじゃないの?」

訊いてみるとあるというので、頼んでみた。やってきたチャイナブルーは、カクテルグラスではなかったので、三角形ではなかった。

(青い海、のブルーかな。こんな色の海、あんのか。ああ、中国の海っていうことか。それで、チャイナブルーなんだ。なるほど。そんなブルー、知らない。僕が見た青い海は、あれだなあ、高校生の修学旅行でいった沖縄の、伊江島の海だな。あれは綺麗な海だった。人もいなくて、海を貸し切ってるみたいで、男ばかりで、パンツいっちょで、なんかはしゃいだなあ、あの海で……)

 

 

 

チャイナブルーこの三角がかつて見た青い春なら泣けただろうに