アオアルキルキア

不定期連載

るんるん

まだコロナではない日記。

 

また雨が降っている。

暑かったり、寒かったり、わけがわからない。もうずいぶん前から、世の中の訳が分からないのか、自分の訳が分からないのか、わからない。

 

今日はひょんなことから、知人と絵本や児童文学の話をした。

昔読んだものをたくさん思い出した。ぼくは「11ひきのねこ」が好きだ。

実家に全部そろっているが、一人暮らしになったとき、わざわざ運ぼうとはしなかった。

突然読みたくなることがある。絵本って、なんであんなにやさしい世界なんだろう。ひらく。文字を追う。いつでもよみがえる気持ちがいい。ページを開くときに、心も開いているではないだろうか。こもりきりの部屋で、アマゾンで注文してしまった。誰に読み聞かせるわけでもないのに。

 

少ししたら、たくさんの猫が僕のうちにくる。今から子供のようにるんるんと鼻歌を歌う。

ドアをめいいっぱい開く。

届いた本を手に取って、僕は心も開くのだ。

心を開いたら、その先は雨も上がるだろう、などと期待を込めて。