アオアルキルキア

不定期連載

題詠 第二ボタン

 

 題詠 第二ボタン

 

 第二ボタンで作った短歌は、わかりやすくその場での評判が悪かったので改変しまくった結果、原型がわからなくなってしまった。だからまあ、載せないでいい気もした。

というか、第二ボタンだと、あまりにも実感がない。

誰かの第二ボタンを欲しがったこともないし、欲しいといわれたこともないので当然だ。中学校は学ランだったが、恋愛や異性へのあこがれが、僕には別世界の出来事だったし、高校はブレザーだった。(まあ、完全な非モテ系だったから、どっちにしろ対岸の出来事だったのだけど)

 

 それでもまあ、好きな人の何かが欲しい、というのはなんとなくわかる。その人のことが好きで好きで仕方ない。わたしには届かない。

好きすぎて目を合わせることもできない。

だからせめて、あなたの一部でいいから下さい、みたいな思いだろう。

貴方を全部もらえないなら、一部で妥協する、ということか。

なんという甘酸っぱい感情だろうか。

 所有欲、支配欲、束縛という感情の雛形ともいえる。どこに進化するかが人によってかわる。

 

片思いはしんどい。

相手のわずかな行為に一喜一憂する。そのたびに期待し、傷つき、どんどん自分が嫌いになっていく。もういっそのこと、嫌いだと言ってほしい。いっそのこと、こっちを見ないで欲しい。優しくしないで、拒んでほしい。

あなたの声で、私を殺してほしい。私はそれで、十分だから。

 

 

わかってるどうせダメなら聞かせてよ 言葉だけでも第二ボタンで