アオアルキルキア

不定期連載

やがてすべてが

まだコロナではない日記。 今日から再びリモートワーク。 僕は洋服が好きだ。唐突にその話をし始めたのは、ネットで注文した服が、リモートワークで働いている最中に届いたからだ。完全に仕事中だったが、もうその場ですぐに箱を開け、ビニールを破き、ハン…

もう食べられない

まだコロナではない日記。 こんな夢を見た。 僕は自転車にまたがって、地面に足をつけた状態で、自転車置き場にいた。年はいくつくらいだろうか。子供ではなかった。でも今よりは少し若かった。本を読んでいた。何の本なのかは、はっきりとしなかった。 自転…

めまぐるしい

まだコロナではない日記。 二、三日前、僕が住んでいるアパートの更新日を過ぎた。 オーナーから電話がかかってきて、更新されますか? と尋ねられた。放っておいたせいだ。というか、本当に気がつかなかった。封書? なんのことだろう? と首を傾げた。 更…

無駄が無限に

まだコロナではない日記。 今日はリモートではなくて会社に出勤した。毎月、クライアントに成果物を持っていく打ち合わせみたいなものがある。準備もかねて、今日明日と出勤。明後日はクライアント先にいく。どうせデータを渡すので、わざわざ行かなくてもい…

みんなで勉強(-「哲学と宗教全史」出口治明著(ダイヤモンド社刊)の読書会ー)

まだコロナではない日記。 今日も仕事はお休み。 今日はずっと一冊の本を読んでいた。 出口治明さん著書「哲学と宗教全史」(ダイヤモンド社)の、第六章から第八章までの百五十ページくらいの範囲。どうしてそんな範囲だけを読んでいたかというと、これもま…

まだ、ない。

まだコロナではない日記。まだコロナではない日記、と毎回書くのもどうかと思ってきた。しかし、途中から始めてしまった。急に書くのをやめたら、その日からコロナにかかったと思われるかもしれない、と思い、ずっと冒頭に添えている(誰も思わない)。いつ…

本来はそういうもの

まだコロナではない日記。 毎日毎日僕らは鉄板の上で焼かれて嫌になっちゃう、あのたいやきくんみたいに僕も毎日毎日リモートワークでパソコンに向かって、嫌になっちゃいそうだ。 いいかげん、代わり映えしない仕事の話を、違うことがあったように書くこと…

平熱の嘘

まだコロナではない日記。 リモートワークも慣れてきた。慣れてきたというのは、気の抜き方がわかってきたということだ。始めたときは、休まるときがなく、最初から最後までずっと仕事のような気がしてしまっていたが、最近はちょこちょことサボることを覚え…

ふくらむ声

まだコロナではない日記。 今日もリモートワーク。外は雨、世間は祝日、僕は在宅。体温を十八時に測ったら三十六度丁度だった。相変わらず平熱が低い。今日は仕事の合間に小説を朗読していた。 川端康成「掌の小説」これは、川端康成の短編、掌編を集めた小…

控えめに祈る

まだコロナではない日記。 今日もまたリモートワーク。世間はゴールデンウィークだが、僕は仕事で家にいた。でも仕事がお休みの人たちもきっと家にいた。朝、目が覚めて、テレビをつけると、緊急事態宣言の延長が決まり、生活様式の変化がどうと、ニュース番…

配慮より敬意

まだコロナではない日記。今日は二週間ぶりに会社に出勤した。 在宅勤務の時間より、少しだけ早く起きて、スーツに着替えて、バスと電車と、乗り継いだ。少し前までは全く気にならなかった降車ボタンやつり革、スイカのタッチパネル、オフィスビルのエレベー…

呪われたくない

まだコロナではない日記。 今日も公休。今日は夕方から夜にかけてオンライン読書会をした。オンラインで毎週のように誰かとしゃべっていて、なんならゴールデンウィークも仕事なのにオンラインで予定を入れまくっている。僕は緊急事態宣言が出てからの方が圧…

寝ている間も生きているのね

まだコロナではない日記ね。 今日は公休なのね。 お昼過ぎまで寝ていたが、暑さで目が覚めて、ね。寝汗がひどいね。 近年常々思うことは間の季節がなくなっていっていることだね。春と秋が異様に短いね。夏と冬しかないような気がするね。僕は数年前から提唱…

ぬるい地獄

まだコロナではない日記。 今日も在宅勤務。遠隔操作では動作速度が遅く、エクセル一つ動かすのに物凄いストレスがかかるので、会社で貸与されたノートパソコンにデータを落として、ノートパソコン上で操作していたら今度はノートパソコン自体の動きが遅くな…

忍耐力日記

まだコロナではない日記。 今日もリモートワーク。 日に日に遠隔操作に遅滞が見られる。とても非効率な業務が続く。イライラしてしまう。在宅業務日報でその度に書き添えるが「根気強くあって欲しい、忍耐力だ」と諭された。他の会社は、こういう不便と、ど…

奈良のナラトロジー

まだコロナではない日記。 今日のお仕事は有給休暇でお休みをいただいた。祝日だけど有給だった。僕の仕事は完全週休二日制で、祝日は関係がない。とにかく土日が休みというだけ。だから本来なら、祝日でも仕事。きたるゴールデンウィークもずっと仕事。でも…

「杜子春」で泣いた話

まだコロナではない日記。 今日もリモートワークだった。今日は遠隔操作がすごく緩慢だった。上司によると、あらゆる企業でリモートワークをやっていることによるもたつきであるそうだ。今後も続くのだという。国はリモートワークや家でできる娯楽を推進して…

転勤したら、一本書ける

コロナではない日記。リモートワーク六日目。 今日も仕事で、大阪支社の人と電話した。気のいいおじさんという感じの人。資料の修正をお願いすると「もう大阪で働いてくれたらいいのに」といわれる。福岡支社の人にもおなじようなことをいわれた。本社はクラ…

つむじを見るように

まだコロナではない日記。 今日も仕事は休み。 書くことがなくてもいいように、アオアルキルキアで始めたから、五十音順でタイトルをつけていくことにした。それで今日はつの日。釣りか、つむじが思いつく。「ツィゴイネルワイゼン」は、とんでもなく異色な…

地図はスマートに

まだコロナではない日記。 今日は仕事もしないので、コロナも自粛も関係のない話。 ほんの少し前まで、僕がニ十歳前半くらい。そのときはまだスマホもメジャーな代物ではなくて、パソコンだってお家にあるものという意識。携帯電話もカメラはついていたけれ…

ただいまスイッチ

リモートワークの一週間が終わった。僕はまだコロナではない日記。 独り暮らしの人でアンケートをとってみたい。こんなやつ。 ――ドアを開けて、自分の部屋に入るとき「ただいま」というほうですか? 自分以外誰もいない部屋でもいいますか? ―― このアンケー…

そんな番組が好きだった

リモートワーク四日目。まだコロナではない日記。 「はなまるマーケット」が好きでよく見ていた。 浪人生のころや、学生時代に午前中の講義をさぼっていたときだとか。 当時ゼミの先生に「はなまるマーケット好きでよく見ています」というと「そんな番組ばか…

生活の中に料理を添える

料理を、習慣化していきたい。自炊はしばらくは続くのだが、途中でやらなくなってしまうことが多い。在宅勤務を機に、料理を作ることを生活の一部にしていこうと思う。 まだコロナではない日記三日目。昨日の事件があったので、今日は少し早く起きて、リモー…

ス○ラッシュ○ップエラー

昨日に引き続き、まだコロナではない日記。リモートワーク二日目。仕事を始める一時間前に起きる。シャワーを浴びて、髪をかわかす。朝食は食パン2枚。週末に買ったマンゴーのジャムをぬる。恐ろしくおいしいので写真を撮ってSNSにあげたくなる。白痴か。そ…

仕事と料理

聞くところによると、震災を体験した文学者たちは、体験した場所が違うためにそれぞれの文学も異なるらしい。また、同じ人でも震災前と震災以後で、作品の中にもやはり明確に違うものがあるのだという。戦争を体験した人と戦後生まれの人の文学が区別された…

再現するリアル

僕は少し前まで、医療現場で手術器械の洗浄や、診療材料のコスト入力をする仕事をしていた。手術器械、診療材料といっても、聞きなれていない人からするとピンとこないだろう。たとえばテレビドラマを思い浮かべてもらう。だいたいの手術シーンで始まる「メ…

こぼれるおこめ

月曜日から人生初のリモートワークだ。家で仕事が捗るのか、不安で仕方ないが最近仕事も楽しくなってきているので、頑張りたい。リモートワークが決まったのは三、四日前。その前から、僕の仕事もリモートできないかという話が上の方で話されていた。会社の…

携帯する思い出

僕が初めて携帯電話を手にしたのは中学三年生だ。 都立高校に入学したら持たしてやろう、と親はいった。併願で受けた私立高校だと、かかる費用がだいぶ違う。 「そんなところに通うようになれば、家計は圧迫されて、携帯代なんて払えないからね」と脅された…

くす玉割りニスタ選手権

こんなスポーツを考えた。 その名もくす玉割りニスタ選手権。 全てが同じ条件で作られたくす玉の糸を引き、その割りかたによる技術力、表現力を競う競技だ。二十点満点中何点であるか。最も高得点をたたき出したくす玉割りニスタが優勝する。 くす玉を割る仕…

北枕で右往左往

験を担ぐ。ジンクス。吉兆。言霊。迷信。占い。正夢に予知夢。呪いの手紙、チェーンメール。そういった科学的根拠のないものに対して、僕はいつも曖昧な態度をとってしまう。曖昧というか、都合よくとらえるというか、信じたり、信じなかったりが、まちまち…